グリニャール試薬の発見
1849年にエドワード・フランクランドによって発見されたジアルキル亜鉛がアルキル化剤として使用されていた。しかしジアルキル亜鉛には空気と触れると容易に発火する、調製できるアルキル基が限られている、反応性があまり高くないといった問題点があった。
ヴィクトル・グリニャールの師匠であったフィリップ・バルビエールはカルボニル化合物とハロゲン化アルキルの混合物をマグネシウムに作用させると、ハロゲン化アルキルのアルキル基がカルボニル化合物に付加したアルコールが得られることを発見していた。しかし反応の再現性が悪かったため、グリニャールにより詳しい検討を行なうように勧めた。
フランクランドはジアルキル亜鉛をエーテル中で調製する方法を試みていた。しかしこの方法ではジアルキル亜鉛にエーテルが配位した化合物が沈殿してしまい利用が困難であった。1900年にグリニャールはこの方法をマグネシウムに適用し、亜鉛の場合とは異なり均一な有機金属化合物の溶液が得られてくること、この有機金属化合物が多くのカルボニル化合物と反応することを発見した。
この有機金属化合物は R−MgX の組成を持つと考えられ、この化合物はグリニャール試薬と呼ばれるようになった。1912年にグリニャールはこの業績によりノーベル化学賞を受賞した。
ハライドの反応性
グリニャール試薬生成の際の反応性はヨウ化アルキル > 臭化アルキル > 塩化アルキルの順でフッ化物は普通の調製法ではグリニャール試薬を生成しない。また同じハロゲン原子においては反応性は第1級ハライド > 第2級ハライド > 第3級ハライドの順である。
逆にグリニャール試薬自身の求核性は塩化物 > 臭化物 > ヨウ化物であるので、適切なハロゲン化物の選択が重要となる場合もある。
マグネシウム
グリニャール試薬の調製には削り屑状マグネシウム (magnesium turning) を使用することが多い。粉末状のマグネシウムでは反応速度が速くなりすぎて局所的な加熱によるウルツカップリングが起こりやすくなり、収率が低下するためである。
マグネシウムの活性化には機械的撹拌やヨウ素や1,2-ジブロモエタンが添加される。ヨウ素はマグネシウムの酸化膜を切削する。1,2-ジブロモエタンはマグネシウムと反応すると臭化マグネシウムとエチレンとなる。また、グリニャール試薬の生成が自触媒反応であることを利用して、以前に調製したグリニャール試薬を開始剤として添加する場合もある。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
ヴィクトル・グリニャールが発見したと言われています。
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